下記は一発ネタです。雑談のお供にどうぞ。



 エイミがサーヴァントだったら。(元ネタ、VALKYRIE PROFILE)

<能力>

 CLASS:ランサー

 マスター:バゼット・フラガ・マクレミッツ
 真名  :エイミ(アルファベット表記は Amy)
 性別  :女性
 身長体重:167cm 52kg
 属性  :混沌・中庸
 (自由を好み、束縛を嫌う。また善や悪には頓着しない。自分と友人、近しい人の意志を尊重するタイプ。Chaos・Neutral)

 筋力:B  魔力:E (竜紅玉の稼動中はA+)
 耐久:D  幸運:E
 俊敏:B+ 宝具:C

<クラス別能力>
 対魔力:D 一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

<詳細>
 北欧神話に語られるミッドガルドの住人。かつてはその大地を踏破せんとする冒険者であった。自由であることが何より好きである彼女には、この冒険者という生業が天性のものだったのだろう。
 力が無ければ生き残れない。強くなければ走り出せない。冒険とは、自由であるが故にシビアである。冒険者たちは、命という自分に許された最大の掛け金を払うリスクを常に背負いながらも、その果てにある夢を追ったのだ。それは野望であり、欲望であり、そして彼らにとって魂の充足である。
 エイミは彼女の仲間とともにそんな世界を生き抜いてきた。彼女にとって共に生きる彼らはどれほど掛け替えの無い存在だっただろうか。また、そんな彼らとともに往く旅路が彼女にとって満ち足りたもので無いはずが無い。エイミは、危険と隣り合わせのこの生き方と、彼女を常に支えてくれる仲間たちが好きだった。
 しかし、そんな彼女にも転機が訪れる。

 とある冒険に赴いた際、酷いアクシデントに見舞われる。その中で、パーティ内唯一の魔術師であるレミアが先陣を勤める戦士グレイに殺された。それによって起こったのは、当然のごとくパーティの崩壊だった。彼女たちの幸せは砂の塔を思わせる脆さで崩れて消えた。
 パーティ内における仲間の殺害とそれによるパーティの崩壊。信頼は、裏切られた。エイミにとって、その方向性を失った思いが憎悪へと向かうのはごく自然なことだっただろう。友人を殺害された憎しみ、仲間を裏切られた憎しみ、そして信じていたものを壊されたことへの憎しみ。復讐を誓わずにはいられない。
 そうしてエイミは力を求めた。常に先陣を勤めた生粋の重戦士であるグレイに一撃離脱の槍戦士である彼女が勝るためには、それこそ神威と呼べる力が必要だったのだ。
 やがて彼女は冒険の果てに竜紅玉を手に入れる。力は得た。憎しみは猛っている。あとはグレイを探し当てるだけ。
 しかし、ここでも彼女を不運が見舞った。ようやくグレイの居場所を突き止めた彼女は、不老不死を目指す老魔術師ガノッサによって囚われてしまう。ガノッサは己の野望のために至宝「竜宝珠(ドラゴンオーブ)」を欲していた。故に竜紅玉によって竜化の能力を得たエイミを拷問し、竜紅玉に連なるドラゴンオーブを求めたのである。
 そして幾多の責めを受け、ついに口を割ることはなかったが、彼女は彼女にとって全く無意味な死を迎える。戦いに死ぬなら本望、復讐に死ぬなら本懐であった彼女に、それはあまりに残酷だった。

 その後、彼女の魂は戦乙女の選定を受け、その願いを叶えることを引き換えに神々の剣となった。そのときにヴァルキリーに願ったのはグレイの居場所をかつての仲間であるセリアに伝えること。復讐が遂げられずに死んだ彼女だったが、復讐とは生きているものが決断することであり、生きているもののために行われるものだということを知っていたからだろう。セリアにはグレイの居場所だけを伝え、グレイをどうするのかというのは彼女に任せた。……本当はエイミも、グレイを信じたかったのかもしれない。
 英霊となった後の彼女は生前の力を如何なく発揮し、数多の英霊達とともに「世界帰滅(ラグナロク)」から世界を守り抜いた。


 彼女は決して英雄などではない。ただの冒険者から発し、復讐に生き、死んだ戦士だった。しかし、世界は力を欲するのだろう。英霊であることは必ずしも英雄であるとは限らない。

 バゼットによるエイミ召喚シーン


<技能>
 竜種(特殊):C、戦闘続行:C+、怪力:B、勇猛:B、単独行動:A、の5つ。特徴として、力技が多く技巧的な技能は持っていない。

 竜種(特殊):C
 竜種因子を持つかどうか。高いほど物質的な竜種との混血とされる。故に、本来ならば生粋の竜種にのみ当てはまるのだが、エイミは竜紅玉により竜化を可能としているためこの能力を持つ。

 ランクCならば、神話に語られるウロボロスやユルングのような世界根幹に関わる「world」を象徴する竜や、力を持ち災いを招く存在とされる邪竜の類、ファフニールやヤマタノオロチには及ばないものの、竜宮に住む乙姫等とほぼ同格の位階にある。
 この階位になれば局所的な世界干渉さえ可能にする高水準の魔術炉心を持ち、エイミの場合は身体に埋め込まれた竜紅玉がその役割を果たす。魔術炉心の稼動中は技能に「魔力放出:B」が追加される。
 しかしながら、彼女は人間ベースの後天的な竜種存在であるため、稼動域を一定以上に上げると人間の部分を竜の因子が侵食しだし、過度の使用は自意識の崩壊という事態を招くため、サーヴァントである現在は使用を止めている。

※エイミが英霊の一形態「エインフェリア」であったときは、自己の情報は最適なものがヴァルキリーにより保たれていたので、いくら使用しても差し支えなかった。

 戦闘続行:C+
 往生際が悪い。
 重症箇所が二三箇所あっても戦闘を可能にし、それ以上の傷を負わない限り生き延びる。また彼女の場合、拷問にも耐性がある。

 怪力:B
 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣が持つ攻撃特性であるが、竜種である彼女もこの能力を持つ。
 使用することで筋力をワンランク向上させる。ブーストスキル。
 持続時間は怪力のランクによる。

 勇猛:B
 威圧、混乱、幻惑といった精神干渉への耐性。無効化には至らないが、ある程度までなら耐えられる。また、格闘能力を向上させる効果もある。

 単独行動:A
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 このランクならば一週間から二週間活動可能。
 元々冒険者であり、復讐を誓って後はシングルで活動をしていたことに起因するサバイバル能力である。

<宝具>
 「閃槍・砕けぬ心(クリムゾン・エッジ)」
 ランク:C
 種別:対人宝具
 レンジ:―(効果の対象は自分)
 最大補足:1人

 運命の紅い刃。深紅の槍。元はエイミがミッドガルドを旅していたときに使っていた愛用の戦槍。しかし、彼女と供に幾多の苦難を潜り抜けるうちに痛み、磨耗する。そして終には、魔術師ガノッサの大魔術をその柄で受け止め、主を守るようにして折れてしまった。その後エイミは命を失い、ヴァルキリーにより英霊とされるが、そのときにエイミが思い描いたかつて最も信頼を置いた武具がこの折れた槍であった。
 そして主が英霊となると同時に、この槍もその身に宿した想いとともに復活する。戦槍を閃槍へと変え、より主の全てに応えようと、その全能力を昇華させた。

 この槍は真名の解放と同時に、エイミの全攻撃モーションを最大効果まで増幅する。たとえ槍そのものを使わない蹴撃や拳による打突、投げ打ちなどでも、その槍をエイミが持つ限り、彼女自身の運動能力と攻撃性能を飛躍的に上昇させる。いわば、効果時間が途切れるまで槍の主たる者を「最大稼動(オーバードライブ)」状態にする閃きの槍である。
 補正効果:筋力、耐久、俊敏のランクを1ランク上昇させ、瞬間増幅効果である「+」を二つ与える。
 効果時間:1〜3分(そのときの保持魔力量にもよる)

 なお、この槍は真名解放時に刃が光り輝く火焔が凝結したものへと変わる。クリムゾン・エッジという名の由来でもある。

 「閃槍・砕けぬ心(クリムゾン・エッジ)」、成り立ちの物語

 「封印開錠・竜紅玉(ドラゴンドレッド)」
 ランク:A+
 種別:対軍宝具
 レンジ:2〜40
 最大補足:50人

 竜紅玉を起動し、竜化する。その後、胸の竜紅玉から高密度に収束された粒子加速砲を撃つ。魔術炉心から生み出される大量の魔力を用いる、エイミにとって究極の「槍」。竜紅玉の影響か、色は紅い。
 また、竜化しているため使用時は全ての能力が3ランクアップ。魔力はA+へ。全能力を強化するため、攻撃守備ともに最高レベルの宝具である。
 しかし、後天的な竜種であるエイミはこの宝具を一度使うごとに竜の因子に自意識を侵食され、一度使うと使用後は通常時に全ての能力が1ランクダウン、およそ二度ほどでほぼ現界できなくなる。三度使えば確実に死ぬか、発狂するだろう。
 加えて、竜殺しの属性を持つ英霊、宝具とは相性が悪い。

※英霊の一形態である「エインフェリア」であったころは、ヴァルキリーがエイミの最適な情報を保存していたため、そこからリードすることによって意識領域の修復が可能であった。


<特記事項>
 上記は一発ネタです。雑談のお供にどうぞ。
 トライエース製作、エニックス発売のプレイステーションゲーム「VALKYRIE PROFILE」から、登場キャラクターであるエイミを使ってみました。Fate とクロスできる部分がそこそこありましたので、やってみたのですけどもどうでしたでしょうか。
 ソース元、参考資料はエンターブレイン社発行「VALKYRIE PROFILE COMPLETE GUIDE」も使用させていただきました。
 以下こまごまとした説明など。

 マスターをバゼットにした理由:
 北欧の関連ならクー・フーリンを召還したバゼットさんでしょう、といういかにも安直な理由しかありません。あとは性格が合いそうかなぁくらいです。

 身長体重について:
 知りませんし、調べても出てきませんでしたので、推測です。

 属性について:
 エイミの性格と人物特性から判断しました。

 詳細について:
 真実では、グレイがレミアを殺したのではなく、アクシデントに見舞われた際にグレイが死亡し、そのグレイを愛していたレミアが換魂の法を用いることによってグレイを蘇生したため、その代償(等価交換)によりレミアが死亡したのですけども、エイミはそのことを知りません。その出来事が起こった後に、生存していたグレイが「レミアは俺が殺した」という言葉をパーティ全員に伝えたため、それが本当のことだと思いこんでいるのです。
 このエピソードは原作でも語られていますね。

 また、レミアとグレイを TYPE-MOON の世界に当てはめるなら、レミアは「換魂の法」を使用できたことから「第三」を知っていたのかもしれませんし、グレイは「換魂の法=擬似第三」の成功例となったのかもしれませんね。
 そういえば、現代から 2000 年ほど前までなら第三を持っていた、または追っていたのはアインツベルンですけども、ラグナロクの頃はそれよりさらに以前の時代になりますので、第三の所有者は少なくともアインツベルン本家ではありませんね。興っていませんから。ですから、この神代の頃の所有者は後にアインツベルンへと繋がる人物か、或いはその人物に関連のある者、かもしれませんね。
 まあ、前提がクロスオーバーであり、 TYPE-MOON となんの関係もないゲームの類似点、共通項を照らし合わせているだけですけども。

 彼らの結末は原作中で語られています。グレイはレミアが自分のために命を投げ打ったことに嘆き、今度はグレイ自身の命を投げ打ってレミアを蘇生させようとします。しかし、それは失敗し、グレイは生命の構成要素の一つ「マテリアル(肉体)」を失って、亡霊のようなものになってしまいました。このさらに後、ヴァルキリーがグレイを選定し、またセリアがグレイの元に辿り着きます。
 運命に翻弄された彼らは、ある災厄を越えられず、悲劇の下に終着してしまいました。人間である彼らの物語はここでおしまいとなります。英霊になったカシェル、エイミ、グレイはそのままラグナロクに向かいますけども。

 各種能力、技能について:
 てきとーに持ってそうなのを、ということで Fate の各サーヴァントを参考にしながら作ってみました。

 竜種の扱いについて:
 あまり上手いのが思いつかなかったので、技能「神性」を参考にそのまま手探りで。もし、アルトリアに「魔術炉心」とか「竜種」というスキルがあったらどのような扱いなのでしょうね? それによってはドラゴンドレッドの扱いも随分変わると思います。

 閃槍クリムゾン・エッジについて:
 あんなエピソードは、原作にはありません。原作においては、原子配列変換でレナスが上級配列変換の宝珠を装備しているときのみ「折れた槍」が「閃槍クリムゾン・エッジ」に変化するというだけですので。
 また、原作でも「閃槍クリムゾン・エッジ」には破損率がありません。壊れず、砕けない槍というのは原作通りです。
 光り輝く火焔が凝結した刃というのも、原作ゲーム中の閃槍クリムゾン・エッジの説明に「実体の無い光焔の刃」とありましたので、そこから持ってきました。

 原作ゲーム中では、閃槍クリムゾン・エッジよりも剛槍ダイナソアのほうがエイミの必殺技に合っているというのは知っていますけども、剛槍ダイナソアではエイミの傍に常にあった武具ではないので宝具にはなりえないと判断しました。ダイナソアは奉竜殿にありますし、竜紅玉が同じく奉竜殿に奉られていたならば関連性はないこともないですけども、エイミが竜紅玉を何処から取って来たのかはゲーム中で語られていません。ですので真偽の程は定かではありませんし、剛槍ダイナソアを宝具にというのは避けました。
 そしてもちろん、原作ゲーム中では武具が人の言葉をしゃべったり、さも意志のあるように振舞うことは全くありません。あそこらへんもでっちあげですので。

 ドラゴンドレッドについて:
 原作のゲームでは連発できるのですけども、ステータス画面には「過度の竜化は自意識の侵食を招く」とあります。ですので、そのへんを考慮して、エインフェリアであったときとサーヴァントであるときに差異を持たせました。
 ヴァルキリーからのバックアップが常にあったエインフェリアであったときは連続使用も大丈夫ですけども、一度現界するとあとはマスターからの魔力供給しか無いサーヴァントでは、意識領域の修復はできませんね。
 このへんは、VALKYRIE PROFILE 原作中のアイテム、ユニオンプラムの説明文にも、
「行動不能状態からの復活を行うための触媒。具体的には対象者の霧散した生命の構成 3 要素「マテリアル(肉体)、アストラル(魂)、メンタル(精神)」をヴァルキリーが共有包括した記録・構成データに基づき再結合する」
 とありますので、ヴァルキリーがエインフェリアの「記録・構成データ」を保持しているのは明らかでしょう。
 ヴァルキリーからエインフェリアたちへのバックアップは、とても大きなものだったのですね。

 岩蛍

 2004/11/25 (初稿)

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