一発ネタ。



 ロアがサーヴァントだったら。

<能力>
 CLASS:アーチャー

 マスター:衛宮士郎
 真名  :ミハイル・ロア・バルダムヨォン
 性別  :男性
 身長体重:180cm 66kg
 属性  :中立・中庸(Law or Chaos, Light or Dark に全く無関心な人間性。Neutral ・ Neutral)

 筋力:D  魔力:B
 耐久:D  幸運:E
 俊敏:C  宝具:??

<クラス別能力>
 対魔力 :B 魔術発動の詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法等を以ってしても傷つけるのは難しい。

 単独行動:C マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。ランクCならばマスターを失っても約一日間現界可能。

<詳細>
 聖堂教会にその身を置く聖職者、神学者であり、稀代の魔術師にして代行者であった。あの埋葬機関の前身にあたる埋葬教室を設立した人物。
 永遠の体現を目的とし、そのために真祖の姫「アルクェイド・ブリュンスタッド」に吸血させた。その折、彼はアルクェイドに恋をするが、極東で果てるまでそのことに気が付かなかった。
 計測不能であった第二要素「魂」を初めて計測し、加工した人物でもある。魔導の冴えはネロ・カオスをして感嘆させるほどであった。術式「創世の土」をネロに与えたのは死徒化後の彼。
 死徒となれば「アルトルージュ・ブリュンスタッド」を退ける(歴史上の事実。ただし、その方法や状況は不明)ほどのポテンシャルを有するが、ここに現界している彼は人間である。

<技能>
 投擲(黒鍵):B、魔力放出:C、魔術:A、高速詠唱:B、知略:B の五つ。

 投擲(黒鍵):B
 黒鍵を弾丸として放つ能力。鉄甲作用を用いて放つことにより、通常以上の破壊力を得ることが可能。

「ああ、そうだ」
 その男は何か面白いことを思い出したかのように、にっこりと笑って言った。
「昨日、エミヤ君から聞いたんですがね。今の世の中には焼夷徹甲弾というものがあるらしい。便利になったものです」
 臓硯の体に突き刺さったその剣は、紅い文字を浮かび上がらせながら劫火を呼んだ。
「これもほとんど同じだ。何せゲヘナの火が載っている」
 科学に抜かれ、堕ちた魔術。外道を焼くにはちょうど良い。火葬の火柱は正五芒星を描きながら男の柔和な顔を照らしている。
 間桐の翁、その苦悶の叫びは炎に呑まれた。
 男の変わらぬ笑顔がそこにあった。

 魔力放出:C
 武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することによって能力を向上させる。強化の魔術。
 生前、彼の蓄積魔力量は通常の魔術師の100倍以上に相当し、それを効率的に使用しながら体術に乗せて働かせている。

 ぎしり、と。空気が歪む音がする。一触即発の殺気は叩きつけるほどに密度を上げる。
 青い槍兵、白い弓兵。両者、不敵。マナは殺意に染められ、原色の戦場は世界を彩る。
「弓兵が。付いて来れるか」
「お望みならば。いくらでも」
 渇いた獣が応えに笑った。
 そして、化け物が二匹、疾り出す――――!

 魔術:A
 自分のもつ属性の魔術理論ほぼ全てを把握。自らの手足と同等のレベルで理論展開が可能。カテゴリーは空(エーテル=アカシャ)。なお、彼の場合は神学も含まれ、最高位の聖秘跡を行うことが出来る。

 高速詠唱:B
 呪文・魔術回路の接続を常に最短で行える。生まれ持った資質と才能、幾万に及ぶ魔術行使によって出来た圧縮・解凍による術式の構築・展開能力。
 大魔術以外ならば一工程で起動させられる。

 求めるものは遥かに遠い。その道程を数えることに意義など無いと知った。ここにあるものは全て偽りで、全てが空だった。
「エミヤ君。私は観測していたのですよ。きっと」
 どれだけ機能が優秀でも、どれだけ理論が正確でも、決して辿り着けない場所があった。それでもこの男にはそれしかなかったのだろう。欠片を零し、己を削り、魂を劣化させながらも挑んだ最果ての高み。だが、最後に残ったものは純粋さを失った間違いの動機だった。
 憎かったに違いない。
 悔しかったに違いない。
 それでも男は最後に笑ったのだ。
 ――――もとから自分は何処にもいない、と。
 それはなんて悲しいことだろうか。
 ゼロと一しか識らなかった男は、途中で道を間違えて、最後までゼロのまま、消えた。
 後には何も残らない。もともと彼はゼロなのだ。遺すものも無いし、残したいものにも届かなかった。
「それでも、俺は、」
 貴方を認めることはできない、と。人を殺して、他人の未来を費やしながら求める夢なんて認められない、と。士郎は、苦悩しながらも真っ直ぐな目をバルダムヨォンに向けていた。
「それでいい。君はそれでいいんだ」
 そう言って男は笑った。それが、衛宮士郎の見た、男の初めての笑顔だった。
 夢破れた男のそれは、衛宮切嗣の笑顔に似ていた。

 知略:B
 思索、探求、試行、戦場分析によって培われた考察力。
 戦場における全事象を把握し、精密な計算によって最適な軍事行動を弾き出す“戦略理論”。
 状況を予測し、戦力を分析し、その戦場に最適な解を導き出す。こちらの行動によって相手の選択肢をせばめ、勝利の可能性を拡大し、相手の逆転の可能性を消滅させる。戦術ではなく戦略。
 つまり、戦闘を行う前に勝敗は決定している。

 男はもう今日何度目かわからない溜め息をついた。
「エミヤ君。何度言ったら解るんですか」
 苦悩がありありと見える声。それに対し、士郎も何度繰り返したかわからない反論をする。
「そんなことはダメだ。だいたいセイバーも遠坂も女の子なんだ。女の子を前線に立てるなんて、」
 その言に。居間にはあきれ返った顔で三つ、溜め息が重なった。
 どうやら、アーチャーの知略も言葉も士郎の頑固さには届かないらしい。

<宝具>
 固有結界「オーバーロード」
 詳細不明。

 宝具に関して。第七聖典や聖葬砲典は生前何度か使ったのかもしれない。だが、彼の隣にいつもあった武装というわけではないので彼の宝具にはなり得ない。
 アーチャーである理由は黒鍵と魔術を弾丸のように用いるから。また、戦場を上から眺めるタイプだから。キャスターのクラスにも適性がある。
 マスターが士郎のため、能力は1ランク低くなっている。
 マスターとサーヴァントは似ているという。彼らも、その愚かしいまでの純粋さが近似したのかもしれない。
 ロアは英雄でも反英雄でもなく、世界と契約しただけの存在。アルクェイドに自身を吸血させることと等価交換した。



 捏造設定一発ネタなので発展は無いです。
 「あっはっは、何考えてるんだこいつめー」と笑ってくれれば。
 それ以上の意味は無いので。



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